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人としての自然さ


数日前から、どうやってお答えしたらいいものかと考え続けていることがある。


そんな風に、何をいったい考え続けているかというと、人なら誰でもあるであろう、心の中の<モヤ>についてだ。

<モヤ>とは、「それ」を呼ぶために用意した、私の便宜上の造語である。基本、人の持つエネルギーはとても澄んでいるのだが、時々、一部分がもやもやして観える(と言えば、わかりやすいだろうか。)イメージしてもらえるといいかもしれない。もやもやしているから、モヤである。ネーミングのセンスは、問わないでほしい。


<モヤ>は、一般的、というか、スピリチュアル的や心理的な言い方をするならば、エゴ、葛藤、思い込み、トラウマ、カルマ、などと色々な言葉で表現される。人は本来、ありのままの自分、魂(=本来の自分)のままでいる時は澄んだエネルギーなのだが、ありのままの自分でいることに抵抗するとき、そこには必ず、この<モヤ>がある。 <モヤ>は、感情と思い込みでできていて、誰でも、おぎゃーと生まれた時には、殆どこの<モヤ>はない。生まれた当初、私達はありのままの自分でいることに抵抗しない。無邪気に、自分のハートをいつもオープンにしていて、ただ愛し、愛される。

しかし、生きているとそうはいかない。あろうことか、ある日、ありのままでいる自分が愛されない、という出来事が起きる。例えば、仲良かった友人からある日いきなり拒絶されたり、素直な気持ちから話した一言を知人から小ばかにされたり、「あなたは、どうしてそんなにいつもやることが遅いの」と親から否定され続けたり、などなどそういうようなことだ。人生上に起きる多種多彩な物語によって、私達は、衝撃的に傷つく。え、なんで、という感じだ。 その衝撃から私達は、「ありのままでいると、こんな思いをしてしまうんだ」という経験し、同時に、感情が揺さぶられる。そして、どうしたら二度とこんな思いをしなくて済むだろうかと考える。そして、二度と傷つかなくて済むために、愛されるための方法(対策)を試行錯誤しながら必死で考え出して、ありのままの自分でいることをやめる。

そして、その時に沸いた<感情>(悲しい、怒りなど)ともに、愛されるための方法、対策として「○○でなければならない」という<思い込み>を持つようになる。<モヤ>の誕生だ。


<モヤ>は、私達をこれ以上傷つけないために守るために、私達が自ら生み出す、本来のエネルギーが変化して別のカタチになった、もう一人のあなただ。



そう。 私達は、いつでもただ愛されたいだけ、傷つきたくないだけなのだ。




なんと、切ないことだろうか。






私は、<モヤ>を解放するセッションや、癒すサポートをさせて頂いているが、それはモヤを消滅させるためのセッションではない。そもそも消滅させるには、人生をリセットするか、記憶喪失になるしかして、その経験ごとなかったことにするしかない。でもそれは非現実的だろう。


何より<モヤ>は敵ではない。

もう一人の大切なあなた、あの日あの時のあなたなのだ。 <モヤ>、つまり、傷ついたあなたは、いつでも理解されたがっていて、その時に感じきれなかった感情をきちんと感じて欲しいと願っている。だから、わかってあげて、手をつないであげるだけでいい。それが解放であり、癒しだ。解放や癒しとは、<モヤ>との対立ではなく、<モヤ>を愛することにほかならない。


では、愛されていないままの<モヤ>があるとどうなるだろうか。そんな<モヤ>がやることは、ひとつだ。「またあの時のように、自分が愛されなかったらどうしよう」という恐怖から、自分を守るために、行動の全てが「○○でなければならない」一択となる。ほかの選択肢があるとは思いもしない。だから、本人さえも気づかないまま、それをくりかえしては、物事がうまく流れないことを経験し続ける。少し言いづらいが、実は、あなたのどの彼もいつもダメ男なのは、そのためである。


でもあなたが、この<モヤ>を理解してあげて、押し込めていた感情を解放してあげると、モヤはだんだん落ち着いていく。泣いている子供が、たくさん泣いて、何があったかを話して、大人に理解してもらうだけで落ち着いていくのと同じように。


そうすると、他の選択もあるのだな、と自然に選べるようになっていく。ある日、自分が昔より違う現実を生きていることに、ものの見方が変わっていることに、あなたはふと気づくだろう。


<モヤ>はこんな風にして、本来の自分に還るための、ひとつのきっかけとエネルギーを私達に与えてくれる。<モヤ>を生みだし、愛し、そこから贈られた気づきを生きる。それは、さらに自分へと確信的に深まっていく人という存在の役割であり、自然なプロセスだ。

だから、<モヤ>が生まれることを心配しなくていい。 その自然さをゆるし、そのプロセスを通してもっとありのままの自分に、深くくつろいでいって欲しい。



私達は、人とは、そういう存在だ。


あなたの中のどのあなたも、

個性や役割の違いにかかわらず大切にしてあげて欲しいと、そんな風に私は思っている。

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